振袖が苦しくて体調が悪くなった時の対処法とは?苦しくない着付けのコツも紹介
近年着物ブームとはいわれていますが、振袖は普段滅多に着ない物なので、たまに着ると息苦しくなりませんか?息苦しさや吐き気を感じるのは、振袖と洋服の締め付けの差に体が追いついていないからです。今回は振袖が苦しくて体調が悪くなった時の対処法と、苦しくない着付けのコツをご紹介します。
着物が苦しい時の対処法
着物が苦しくなる要因は「帯部分の締め付け」が圧倒的です。着物にはボタンやファスナーなどが存在しないので、すべて紐で留める事になります。また洋服ではあまりない「みぞおち」の部分が締め付けられているので、苦しさを感じる方が多いです。着崩れしないようにかなりきつく縛られるので、苦しくなってきた時は帯の部分を緩める事で楽になるでしょう。ここでは、みぞおち周りを楽にするためのいくつかの方法をお伝えしていきます。
帯を緩める、位置を下げる
着物と帯の間に指を入れて少しずつ左右に動かすと、帯が緩んできます。緩んだところから帯の位置を少し下に下げてみましょう。帯を下げる事で、みぞおちの部分に隙間ができるため圧迫感が軽減されて楽になります。あまり下げ過ぎるとバランスが悪くなったり、着崩れの原因になったりするので注意してください。
伊達締めを緩める
帯を緩めても苦しさが変わらなければ、伊達締めを緩めます。「伊達締め(だてじめ)」というのは、帯の下で振袖のおはしょりを留めておく紐やテープの事です。「おはしょり」とは着物の長い部分をたたんで、帯の中に隠しておく事です。帯の中に指を入れて、伊達締めの部分を緩めます。マジックテープタイプの伊達締めだと緩める事は難しいでしょう。また緩めすぎると、着崩れの原因となるのでほどほどに。
帯枕の紐を緩める
帯枕は、帯の背中側の膨らみである「お太鼓」をキレイに作るための道具です。紐を背中側から回してお腹側で結ばれています。この紐の部分を少し緩める事で楽になります。緩めすぎるとお太鼓の崩れの原因になるので注意が必要です。
着物による体調不良予防法
着物の締め付けによる体調不良を予防する方法として最適なのは「水分を摂取する事」です。着物でトイレに行くのは着崩れするし、汚れてしまいそうだから…と水分を控える方が多いですが、体調不良や吐き気をもよおす原因となります。適度に水分は摂るよう心がけましょう。
次に食事の食べ過ぎもよくありません。洋服の時よりも締め付けがきついので、胃が圧迫されて気持ち悪くなります。また、胸周りに多少ゆとりを持たせると苦しさが軽減されます。和装用のブラでなくてもノンワイヤーのブラ等で代用できます。
苦しくならない着付けのコツ
苦しくならない着物の着付けのコツですが、やはりみぞおち周りの帯締めの部分が肝心になってきます。着物の着付けには、3本の紐を使用します。
前述した伊達締めや帯枕の他に腰紐などもあります。これら3つの紐の締め付け具合が重要です。用途に合わせたさまざまなタイプの紐が販売されているため、通販サイトや和服を取り扱う店舗で探してみてください。
幅の太さのある紐を選ぶ
細い紐だとどうしても巻いた時に圧迫感が強くなります。幅がある程度ある紐だと着物を押さえる面積が増えるので苦しさが軽減されます。幅の太い紐を捻じらずにそのまま使用するとよいでしょう。
芯が中に入った紐を選ぶ
硬めの芯が中に入っている紐は強度があり、着ている内に捻じれてくるという事が少なくなり「捻じれた部分が苦しい」といった事がなくなります。
紐の結び目をずらす
着物や帯を留める紐の結び目同士が重ならないように、位置を調整しましょう。結び目が重なると体に当たる部分が気になり、圧迫感につながります。みぞおちに当たらない位置で重ならないようにずらしましょう。
ゴム製の紐を使用する
ゴムでできた紐を使用すると、圧迫感が格段に軽減されます。伸縮性があるので着心地がよく、着物にもシワが寄りにくい利点があります。腰紐の代わりとして伸縮性のある「包帯」を使用する方法もあります。下着についてもワイヤーがあるものよりノンワイヤーでアンダーがゴムの方が圧倒的に楽です。
今回は振袖が苦しくて体調が悪くなった時の対処法と、苦しくない着付けのコツについてご紹介しました。本来、着物は日本人の普段着であったものなので、苦しくないように着付けられればよいのですが、振袖はとにかく「着崩れさせない」事が目的となり、しっかりと着付ける事が当たり前になっています。慣れるまではみぞおち辺りの締め付け感が苦しく感じるので、着崩れしない程度に適度に緩めながら調整していきましょう。紐の結び方を工夫したり、ゴム製の物を選ぶ事で圧迫感を軽減させる事が可能になります。また体調不良を予防するため、我慢せずに水分をしっかり補給することも重要です。工夫をしながら楽しく振袖を着こなしましょう。