振袖に口紅が付いてしまった時の落とし方は?自分でできる落とし方
せっかくの晴れ舞台の振袖に、うっかり口紅を付けてしまったという時、慌ててハンカチやティッシュでふき取りをするのは待ってください。口紅の汚れは処置を間違えてしまうと落ちにくくなってしまいます。今回は口紅の汚れの落とし方について解説していきます。
汚れの種類
汚れの種類には大きく分けて3つあります。油性の汚れと水性の汚れ、そして油性と水性の2つが組み合わさったもの。
口紅の汚れは上記3つの中で「油性」の汚れになります。油性の汚れは、食べ物の油や皮脂汚れなどを代表するように、なかなか落ちづらい印象です。油を分解する力の強い洗剤でこすり落とす事ができればよいのですが、振袖の生地を傷めてしまう可能性もありますので慎重に汚れ落としをする必要があります。次の項目から、口紅の汚れの落とし方を詳しく解説していきます。
口紅汚れの応急処置法とNG処置法
振袖に口紅が付いてしまった際の応急処置や、NGの処置法はあるのでしょうか。結論からいうとその場でできる事はありません。なぜなら、油汚れは水に浸すのは逆効果でキレイに落ちなくなってしまいます。また擦ったり叩いたりするのも避けてください。どうしても気になる場合は、軽くティッシュで押さえる程度にしておきましょう。
家で洗濯できる着物
近年、家で洗濯できる着物も増えてきています。洋服と同じように洗濯タグが付いているため、一度お持ちの振袖のタグを見てみてください。洗濯機や桶のマークがあれば洗う事が可能です。裏地がなく透けない素材で作られた単衣や、木綿・ウールなどの天然素材、ポリエステルなどの化学繊維で作られた振袖は洗えるものが多いですが、あくまでも自己責任になりますので慎重に洗うようにしましょう。タグを見てもよくわからない物や、親から譲り受けたものでタグがない物などは無理をせず業者へクリーニングを依頼することをおすすめします。
振袖の家での洗濯方法
家での振袖の洗濯方法をお伝えしていきます。基本的にニットやカシミヤなどのオシャレ着を洗う時と工程が似ています。前述したように洗濯タグを見て、振袖が家で洗える事を確認してから行いましょう。
1:振袖を「そでたたみ」する
そでたたみとは、着物の基本的なたたみ方です。着物の背を内側にするように縦に半分に折り、袖部分を身頃に重ねて二つ折りにします。襟の部分は内側に織り込むようにします。その後丈を半分にたためばOK。大きい場合はさらに半分に折ってください。洗いジワもできにくいたたみ方になります。
2:洗濯ネットに入れて洗濯機に入れる
折りたたんだ振袖がピッタリ入るサイズの洗濯ネットに入れて、洗濯機へ入れます。ネットより小さくたたんでしまうと、中でばらけてしまいたたんだ意味がなくなってしまいますし、大きいとネットに入りきらず結局詰め込んでシワができてしまうため注意が必要です。また他の洗濯ものと一緒にせず、必ず振袖単体で洗うようにしましょう。思わぬ色移りの原因になりかねません。
3:素材によって洗剤を選ぶ
基本的には洋服用の洗剤でよいのですが、洗浄力の強いアルカリ性の洗剤などは色落ちや色移りする危険があるため注意が必要です。またウール素材の振袖の場合はウールが洗える洗剤やオシャレ着用洗剤を選びましょう。しっかり落としたいからといって、漂白剤を使用するのも控えてください。心配な場合は、事前に洗剤の原液を振袖の目立たないところに付けて、少し置いた後に白い布で叩いて色が移らないかチェックしてみましょう。柔軟剤は使用しても大丈夫です。
4:洗濯コースを選ぶ
洗濯機に「ドライ」コースがある場合はドライで優しく洗います。ドライコースがない場合は手洗いが無難です。また脱水もかけ過ぎず、滴らない程度に脱水する程度に留めましょう。
5:和服用のハンガーで干す
和服用のハンガーは、袖部分もまっすぐ干せるようになっている長いハンガーです。振袖を扱う店舗や通販で手に入ります。干す際には直射日光を避け、陰干しを行います。
6:アイロンをかける
振袖が完全に乾いたらアイロンをかけます。アイロンの温度は中温または絹温度に設定し、白い木綿の布をあて布にして布目にそって素早く当てていきます。あまり強く押さえすぎず、軽く押さえて滑らせるようにするとよいでしょう。またスチームなどは、縮みの原因となる可能性があるため不要です。
今回は振袖に口紅の汚れが着いてしまった時の処置についてご紹介しました。口紅が着いてしまったら、その場では触らずに家に帰った後に洗濯タグを確認。家で洗えるようならキレイにたたんでネットに入れ、オシャレ着用洗剤で優しく洗います。干す際にも和服専用のハンガーで陰干し後あて布をして中温でアイロンがけを。これだけで振袖を傷めずに口紅汚れを落とす事ができます。しかし、振袖は繊細な和服なので心配なようでしたら専門の業者に頼んでクリーニングをしてもらうのが安心です。咄嗟の時にも慌てず、適切な処置を行い長くキレイに保管してください。